灰色の空
しばらくするとナツミの寝息が聞こえてきたが、僕は眠れそうになかった。そもそも、誘拐犯の家でぐっすり眠るなんて普通はできない。
きっと、普通の家の子供達は、家族が心配しているはずだと、自分を必死に探してくれているはずだと思いここから逃げ出そうと試みるに違いない。
女の人が寝てしまったら、僕も逃げ出そうかと思った。
が、すぐにやめた。
僕には、心配してくれる親なんていない。
目をぎゅっとつぶって、無理やり眠りについた。
広い家の中、ドアの前に僕は立っている。誘拐犯の家だ。ドアノブをひねって中に入ると男の人が、首にロープを食い込ませて浮かんでいた。
壁は真っ赤で、床には水たまりができていた。臓器のようなものがそこらに散っていた。
何が起きたのかよくわからないまま、気づくと目の前の光景は朝日が差し込む部屋の中に変わっていた。
目を覚ましたみたいだ。
朝の8時くらいになっていた。ナツミはもう1階へ降りたらしい。
僕はパーカーのポケットからスマートフォンを取り出すと、
【夢占い 血】
と検索した。
検索結果は意外なことに、ポジティブなものが多かった。
ただ、手術の成功という文字には少し不安を覚えた。
きっと、普通の家の子供達は、家族が心配しているはずだと、自分を必死に探してくれているはずだと思いここから逃げ出そうと試みるに違いない。
女の人が寝てしまったら、僕も逃げ出そうかと思った。
が、すぐにやめた。
僕には、心配してくれる親なんていない。
目をぎゅっとつぶって、無理やり眠りについた。
広い家の中、ドアの前に僕は立っている。誘拐犯の家だ。ドアノブをひねって中に入ると男の人が、首にロープを食い込ませて浮かんでいた。
壁は真っ赤で、床には水たまりができていた。臓器のようなものがそこらに散っていた。
何が起きたのかよくわからないまま、気づくと目の前の光景は朝日が差し込む部屋の中に変わっていた。
目を覚ましたみたいだ。
朝の8時くらいになっていた。ナツミはもう1階へ降りたらしい。
僕はパーカーのポケットからスマートフォンを取り出すと、
【夢占い 血】
と検索した。
検索結果は意外なことに、ポジティブなものが多かった。
ただ、手術の成功という文字には少し不安を覚えた。