君を想って……
『あのね、南波先輩はね。あ、南波翔平先輩ていうんだけど。もうね、完璧な人でねぇー。容姿端麗、成績トップ、運動神経抜群。ね!すごいでしょ!?性格もクールでカッコイイし。はぁ、付き合いたい。彼女いないらしいけど』
す、すごい……!
なにがすごいって、先輩もすごいけど、
先輩の情報を知ってる麻紀もすごい。
「…………」
『ねぇ!ちょっと瑶、何その無関心さは!カッコイイとか思わないの?』
確かに、南波先輩はカッコイイ。
カッコイイんだよ? でもね?
「私には、手の届かない人だなぁって」
だってそうだよね。
ただでさえ、先輩てことなのに、それでもって完璧男子。
学校の王子様的な存在だよ。