君を想って……
そして、そのまま特に南波先輩と関わることもないまま
毎日を過ごしていた。
廊下ですれ違ったりもするんだけど、
委員会が同じってだけで、お互い顔見知りというわけでもない。
だから、平和に過ごせると思ってたのに……。
ある日の放課後。
私は1人で図書室に来ていた。
麻紀にも来てもらいたかったんだけど、急用が出来たとか。
図書室には、よく来るんだ。
本を借りるわけでも返すわけでもなく、
ただボーッとしているだけなんだけど。
今日は誰もいないみたい。
いつもの特等席、1番奥の窓際の席に座り、さっき選んだ本を読んでいた。
ここの席、ちょうど良く日射しが入ってきて、
気持ちいいから好きなんだよなぁ。
───ガラガラガラッ……
突然、扉が開く音がした。
誰だろう?先生かな?図書委員の人とか?