黒桜 〜あたしと5人の黒狼〜
やれ、と言わんばかりに、赤髪があたしの方に手を払う。
それと同時に、後ろにいた奴らがこっちに近づいてきた。
どうしよう…。
部屋にいるのは6人。
そんなに強そうには見えないけど、1:6で数は不利。
でも…!!
ただ捕まるよりは、ダメもとで戦ったほうがいいことを、あたしは知ってる。
一年前の屈辱を、もう二度と味わいたくない。
そのために、使えるものを使って、強くなったの。
「捕まえろ!!」
赤髪が言った瞬間、まず二人が飛び出してきた。
ガッ!!
バシッ!!
シュッ…ドーンッ!!
。。。。。。。。。。。。。
「ハァ…ハァッ……ゴホッ」
数分後。
あたしの周りには、男たちがうめき声を上げながら、倒れている。
なんとか、下っ端は倒せたけど…さすがに苦しいな。
それに…まだ、赤髪が残ってる。
口調とかからして、多分こいつが一番強い…。
「ダッセぇな〜お前ら〜。女相手に全滅とか、ナイだろ」
椅子に座って、あたしたちの様子を見ていた赤髪が、立ち上がった。
「さすが、泰雅の女だな。護身術でも習ったのか」