黒桜 〜あたしと5人の黒狼〜
「…アンタには関係ないでしょ」
好きで強くなったわけじゃない。
でも、自分を守るためにはこれくらい強くならなきゃいけなかった。
ただ、それだけなのに。
「おー、強気だねぇ〜。…でも……」
ドカッ!!
「!?」
な…に…?
猛烈な痛みが、お腹から体中に広がる。
何が…起きたの!?
「グッ…」
ヤバイ…。
視界が…暗くなる…。
もうろうとする意識の中で、あたしがはっきりと見たのは…
自分のお腹に、赤髪の拳がめり込んでいたことだった。