黒桜 〜あたしと5人の黒狼〜
A strong girl
烏間地区。
それは、暴力だけが取り柄の不良達が、ゴロゴロと集まる場所。
商店街は、ほとんどの店がシャッターを下ろしている。
治安も悪く、普通の人は近づくこともない街。
そんな街に、あたしは住んでいる。
「おい…ネェちゃんよぉー。あそぼーぜ?」
「………」
「…シカトかよ。いい度胸してんなッ!!」
あたしの肩を掴んだ男。
…あー、ウザイ。
あたしは瞬時に男の手をひねって、
ヒュッ…ゴキッ!!
「うわァァ!!」
これくらいすれば、平気かな。
痛みで絶叫し、地面に這いつくばる男。
そりぁ、肩を外したんだから痛いでしょ。
「お、覚えてろよ!!」
「安い決めゼリフ…」
…こんなことは日常茶飯事。
あたしは、佐倉七季。
近くの黒橋学園高校に通っている、高校二年生だ。