黒桜 〜あたしと5人の黒狼〜
親が作った借金のせいで、家を売られ、家賃が安いこの地区へ引っ越してきて約一年。
最初は怖かったこんなナンパも、今では返り討ちできるくらいに成長した。
そう。
頼れる人は、誰もいない。
助けてくれる人も、いない。
信じれるのは、自分だけ。
この街に来て、それを思い知らされたんだ。
。。。。。。。。。。。。
「よぉ、七季」
道を歩いていたあたしに、声をかけた男。
「……泰雅」
銀髪に、鼻と耳に龍のピアス。
威圧感を放っている、うしろの部下たち。
この男は、清水 泰雅。
烏間地区のNo.2のグループ、“タイガーアイ”のボスだ。