黒桜 〜あたしと5人の黒狼〜
「おはよう。みんな」
「おーっす…って、クロ。そいつ…」
「うん。昨日の子だよ」
3人(金髪以外)の視線を一気にあびる。
「レイ。ちゃんとこの子の世話、見なきゃダメだろ。階段の影で、うずくまって笑ってたぞ?」
「…は?なんでだよ」
げ。
やばい。
笑ってたの、バレてたんだ。
「そういえば…カイの事を見てたな…」
「え、俺か?なんでや?」
スキンヘッドに不思議そうに見られるけど…言えるわけないじゃん!!
「『あなたのエプロンが似合わなすぎて、笑ってしまいました』とか…絶対言えない…」
……ん?
あれ…?
あたし、今なんて…。
みんな丸い目でこっちを見てるけど。
まさかあたし…今の口に出てた?
長い沈黙…。
「ブっ…アハハッ!!」
「フッ…」
そして、突然スキンヘッド以外、全員が笑いだした。
「あー、やっぱりナナキちゃん、面白いね。最高っ!!」
「ちょい待ち。俺、すんごくバカにされた気がせぇねんけど。つーか、てめぇらも笑うな!!」
「確かに似合わねぇよな!!それは思ってた!」
「なんやと!!いい度胸しとるやん、ナツ!!表出ろォ!!」
「あー、はいはい。喧嘩は後で。…うん、気に入った!!」
気に入ったって…?
展開が早すぎて、何がなんだか分からないんだけど。