黒桜 〜あたしと5人の黒狼〜


「おはよう。みんな」


「おーっす…って、クロ。そいつ…」


「うん。昨日の子だよ」


3人(金髪以外)の視線を一気にあびる。


「レイ。ちゃんとこの子の世話、見なきゃダメだろ。階段の影で、うずくまって笑ってたぞ?」


「…は?なんでだよ」


げ。

やばい。


笑ってたの、バレてたんだ。


「そういえば…カイの事を見てたな…」


「え、俺か?なんでや?」


スキンヘッドに不思議そうに見られるけど…言えるわけないじゃん!!


「『あなたのエプロンが似合わなすぎて、笑ってしまいました』とか…絶対言えない…」



……ん?


あれ…?



あたし、今なんて…。

みんな丸い目でこっちを見てるけど。


まさかあたし…今の口に出てた?



長い沈黙…。





「ブっ…アハハッ!!」


「フッ…」



そして、突然スキンヘッド以外、全員が笑いだした。


「あー、やっぱりナナキちゃん、面白いね。最高っ!!」


「ちょい待ち。俺、すんごくバカにされた気がせぇねんけど。つーか、てめぇらも笑うな!!」


「確かに似合わねぇよな!!それは思ってた!」


「なんやと!!いい度胸しとるやん、ナツ!!表出ろォ!!」



「あー、はいはい。喧嘩は後で。…うん、気に入った!!」


気に入ったって…?


展開が早すぎて、何がなんだか分からないんだけど。



< 43 / 130 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop