黒桜 〜あたしと5人の黒狼〜
だって、黒桜に入ってるくらいだし。
多分、この学校の中でも一番強い。
「ってか、お前。知らない奴と登校してたのかよ!?」
「まぁ…。いろいろあって、成り行きで」
話を聞くと、悪いやつに聞こえるんだけど…。
実際は優しいところも、あったりしなくも…なくもない。
レイってよく分からない人間だな…。
「…彼氏か?」
「は?」
さっきまで、軽いノリで話してたのに、急に涼介が真面目な顔で話し出す。
ん?
彼氏?
「誰が」
「だから!!お前の彼氏なのかよ!?春宮レイは!」
レイが…彼氏?
「プッ…アハハッ!ないない!!!確かにイケメンだけど、タイプじゃないし!!」
第一、向こうもそんな風には思ってないし!
泰雅との交渉道具だしね。あたしは。
「そっか…!」
涼介の、不安そうな顔が一気に明るくなった理由を、この時あたしはまだ知らなかった。