黒桜 〜あたしと5人の黒狼〜
「だーれ?この子。もしかして、あたしと同じ…」
隣の女の人が、赤髪の腕に絡みながら話す。
「いや、違う。コイツはレイのだ」
「へぇ~!!珍しいこともあるのね。あのレイが」
「さぁな、俺は知らね。…悪ぃけど、今日は帰れ」
「えぇ〜…まぁいいや♡また呼んでね、ナツ」
最後に、女の人の方から軽いキスをして、帰っていった。
バーに残された、あたしと赤髪。
なんか、なんとなく気まずいんだけど。
「…彼女さん?」
なんか、話題が欲しくて言った言葉。
まぁ、あんなキスしてたんだから、答えは99.9%イェスだろうけど。
「は?んなわけねぇだろ」
……は?
んなわけねぇだろって…。
「だって、キスしてたじゃん」
「アホか。アイツはそんなんじゃねぇよ」
まさかの、残りの0.1%がビンゴ。
え、ちょっと待って。
付き合ってないけど、キスはする…。
まさか…!!
「最っ低!!」
遊び人かよ!!
じゃあ、女の人が言ってた『あたしと同じ…』って…!!
「あたしも遊び相手だと思われてたってこと!?」
この男ととか…絶対ナイ!!
「誰がお前みたいな女と…。マジお前は、お前だけはナイ」
「こっちのセリフだわ!!アンタみたいなクズと誰が!!」
あ。
やっちゃった。
「誰がクズだって…?あぁ!?」