黒桜 〜あたしと5人の黒狼〜
「は?多分って…」
「…なんか、大事なモノだと思うけど…。誰からもらったのか分かんないの」
「………覚えてねぇのか」
え…。
あまり表情を崩さないレイが、一瞬だけ、悲しそうな顔をした…気がする。
それに、なにかボソって呟いたような…。
「…何でもねぇ。それより…」
あたしの方に、レイが近づいてきて…。
ギュッ…
「ッ!?」
「抱きまくら…ちゃんと仕事しろよ?」
…まただっ!!
抱きしめられ、耳元で囁かれて、体がビクっと反応してしまう。
「ちょっ……ヤ…メ…」
レイの腕を振りほどこうとするけど、力が強くてできない…!!
ワタワタとしているあたしを、面白そうに覗くレイ。
「フゥッ…」
「ひゃッ…」
み、耳に息が…!!
「やめろっ…て言ってんでしょ…」
全身の力が抜けるーーー。
「フッ…面白ぇ奴だな」