黒桜 〜あたしと5人の黒狼〜
最低限の荷物をバッグに詰め、あるアパートまで走った。
ピーンポーン…
ガチャッ!
「ナナ!!大丈夫だった!?見つかってない!?」
インターホンを押して、すぐに飛び出てきたのは、あたしの親友の優月。
泰雅につけられた傷を治すために通っていた病院で出会った、かわいい女の子。
泰雅の事も相談していた、この街で唯一の友達。
「うん。走ってきたから大丈夫だと思う…」
「そっか、よかった!さ、入って!!」
「お邪魔します!」
『嫌なら逃げ出しちゃえば?』っていう優月の提案で、ここまで逃げてきた。