黒桜 〜あたしと5人の黒狼〜
あたしに、着ていたパーカーをかける、タトゥーの人。
っていうか、
「そんな軽く…。死んじゃったらどうすんの!?」
今の泰雅は、絶対頭に血が上ってる。
ヘタしたら、レイだって死んじゃうかもしれないじゃん!!
「…大丈夫だよ。レイは死なない」
「……ッでも!!」
ガタンッ…
はっとして、音のした方を見る。
倒れていた泰雅が起き上がり、レイを睨んでる…。
喧嘩が…始まる!!
「とにかく、僕達にできることは何もないよ。二人の意地を黙って見てるだけしか…ね」
そう言って、まっすぐにレイを見るタトゥーの人。
その瞳は、心配とかじゃなくて、勝つことを信じている瞳だった。
「はっ…まさか、七季が浮気していたなんてな。バイクの男ってのはレイ、お前か」
「…何が浮気だ。そんなんじゃねぇよ」
「七季は……黒桜の、大事な仲間だ」