黒桜 〜あたしと5人の黒狼〜


「……っ…」


“仲間”。



たった一言。


だけど、あたしにとってそれは、涙が出るほど嬉しかった言葉。



親友も、友達も、高校生活でさえ泰雅に奪われた。


それでも、あたしのことを仲間だと言ってくれる人たちが、まだいたんだ。






「…ナナキはどうしたい?」



あたし…。



あたしは……




「…レイっ!!」





睨み合っていたレイと泰雅が、こっちを向く。


泰雅の目が、まだ怖い。





でも……



「…勝って!!絶対に…絶対に勝って!!」



あたしも、泰雅ではなくて、黒桜の…レイの仲間になりたい。


自由になりたい!!



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