黒桜 〜あたしと5人の黒狼〜
True Hart
え……?
泰雅の口から聞いた言葉。
あたしが……光?
「……お前にとって七季は、心の支えだったんだな」
立ち上がる泰雅を、冷たく…だけどどこか悲しげに見る、レイ。
泰雅にとって、あたしが支えだった…?
…なら、どうして、
「……どうして殴ったり、無理やりしたの?」
分からない。
泰雅の考えていることが、全然。
大切な人だったら、ちゃんと相手のことを考えるじゃん…。
少なくとも、監禁したりなんかしない。
あたしに問われた泰雅は、構えていた手を、すっと降ろした。
「…分かんねぇんだ。好きな奴の、愛し方を」
そのとき、あたしは初めて見た。
泰雅が、今にも泣きそうになっているところを。