王子様は女嫌い!?
「あーっ!!!!!」
あたしの叫び声
唯君が驚いたように振り返る
「―っ!!なんだよ驚かすなよ!!」
「それ違う!!!」
「はぁ?」
あたしは唯君が持っている本を指さす
「その本は壁の棚、そっちの本はこの棚!!!!」
2週間も図書室にいればどの棚にどんな本が入っているかが、だいたい把握できた
あたしの言葉に顔を歪めた唯君
「別にどこだっていいじゃんか…面倒なんだし」
そうボソッと呟くのが、あたしにはっきり聞こえた
「で?これどこの棚だよ…」
「……………」
「おい聞いてる?」
「…………ょ」
「何だって?」
「なら手伝わなくていいよっ!!!!!」
またも叫んだあたし
でもその声色は、さっきなんかと全然違う
「面倒くさいなら、やらなくていいから!!!!適当にやるくらいなら帰ってよ!!!!」
そんなことを言うあたしに、唯君は唖然としていた
「委員会にも来ないし、今までの仕事も来なかったくせに!!
ふざけないでよ!!!!」
唯君に、怒鳴る
多分、全然迫力ないかもしれない
でも、ショックだったんだ…
唯君が、物事そんな適当にやる人だなんて思ってなかったから…
図書室来てくれたのは嬉しかった
…でも、適当に仕事をしていいわけではない
任された仕事は、ちゃんと最後までやらなきゃ…
あたしはそう思ったから思わず怒ってしまった
たとえ相手が自分の好きな人でも…