王子様は女嫌い!?
貸し出しカウンターに座っているのは…
「唯君っ!!…ですか?」
「他に誰がいんだよ」
驚くあたしに少し苦笑いしながら答える唯君
そしてあたしから距離をとりながら言った
「本の整理は俺がやってやるから、お前は貸し出しやれ!!!!」
「……なんで?」
「……はぁ!!?!?」
「…なんで来てくれたの?」
唯君が眉をひそめる
あたしは目線を下に移した
「だってあたし…昨日ひどいこと言ったし、嫌われてると思ってたから…」
てっきり、今日も来てくれないのかと…
あたしが言うと、唯君は大袈裟にため息をついた
「仕事はちゃんとやるもんなんだろ?
いい加減にやるなら帰れって、お前が言ったことじゃんか。
俺だって、やるときはやるんだよっ」
そう言って、一瞬だけ、笑った
「―――っ」
その唯君の一瞬笑った顔が
あまりにも眩しくて
あまりにも優しくて
あたしの目に鮮明に焼き付いてて…
思わず服をキュッと掴む
あぁ、きっと、彼はいい加減なんかじゃない
だって今日、ちゃんと図書室に来てくれた
昨日あたしが言ったことを、覚えていてくれた
「―――っ」
それだけのことなのに、あたしは、胸がいっぱいになった
彼が、好きだと思った