王子様は女嫌い!?
それから数日…
「なぁコレどこだよ?」
「あぁこれは12番の棚だよ」
「ってこっち来るな!!」
「はいはい…」
唯君はサボることなく図書室に来てくれて本の整理をしてくれる
あたしもようやく唯君と普通の会話が出来るようになった
…ただ、やっぱり近寄るのはダメみたい
貸し出しも、女の子とかが来るから無理って唯君が言うからあたしがやってる
彼の女嫌いは健在…
だけど、何だかんだ言って
唯君と普通に会話してる女の子はあたしだけみたいだし…
「…ちょっとは、前に進んだよね?」
「なにが?」
「え?あーなんでもないよっ」
今は、こうやって話ができるのが
すごく嬉しい
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「へぇーそりゃよかったじゃん!!!!」
教室で里奈が嬉しそうに言う
「うん、まぁ近くに寄るのは拒否されるけどね」
「でも、かなりの優越感じゃない?
だってあれ…」
里奈が指さす先には…
「佐々木君待ってー」
「佐々木くーん」
「逃げないでー」
「うわぁぁああぁ!!!!
来んな寄るな近付くなぁーーっ!!!!」
今日も元気に逃げ回っている唯君
それを見た里奈は含み笑いをした
「あの子達なんて、会話すら成り立たないんだしさぁ。
だから唯一会話する怜美は、けっこう特別ってことじゃん?」