王子様は女嫌い!?
《キーンコーン♪カーンコーン♪》
放課後のチャイムが鳴る
あたしはいつも通り図書室に行こうとした
「今日は唯君日直だから来るの遅くなるだろーなー…」
やっぱり好きな人とは、少しでも一緒にいたい…
そんなことを考えながら階段を上っていると
「…香宮さん」
上から、声がして
見上げてみるとそこには
唯君ファン
「………………」
これはもしかして、
あたしピンチ!?!?
そう思うと、冷や汗が出てきた
ファン達はゆっくりあたしに近付いてくる
何種類もの香水の臭いが入り混じっていて
あたしは思わず顔をしかめた
唯君が逃げるのも分かる気がする…
で、きっとそれが気に入らなかったみたいで
「お前調子のってんじゃねーよっ!!!!!」
開口早々、キレられた…
「佐々木君に纏わり付くんじゃねーよっ」
「マジでウザイから!!」
そして次々と文句を言われる始末…
半端なく、恐い
…化粧が(笑)
「何とか言えっつーの」
何も言わないあたしに痺れを切らしたのか
ファンの1人があたしの肩を押した
フワッと浮く体
視界が大きく揺れ
あたしは思わず目をつぶった