王子様は女嫌い!?
――――あれ?
痛く…な、い………?
固くて冷たい廊下に体が打ち付けられるかと思っていたのに
何故か柔らかい…
恐る恐る目をあけてみると
「……っえ!?」
「っぶねー…」
そこにいたのは
「かっかかかかっ…!!」
「いや俺は“和也”だけどね?(笑)」
その通り、和也があたしの下敷きになっていたのです!!!!
「わーゴメンっ!!!!痛いよね!?重いよね!?」
「や、全然平気だし!!!それより、怜美は大丈夫か?」
急いで和也の上からどきながら頷くと
和也は“よかった”って笑って
階上にいるファン達を睨みつけた
「お前ら…唯に付き纏ってる奴らだよな…?」
低くて、冷たい声だった
ファン達が、和也の雰囲気に恐れをなしたのか、妙に落ち着きをなくしている
「…………っ」
もちろん、あたしも…
だってこんなに怒ってる和也初めて見た
大声で怒鳴られるのも恐いけど
あえて怒りを無理矢理、押し殺しているのも恐い…
「…マジでウザイな」
和也のたったその一言で
空気が揺れた
「お前らさ…早く消えろよ。でないと俺…何するか分かんないから」