王子様は女嫌い!?



和也の言葉は、もはや冗談とは思えなかった…



ファン達もそれを思ったのか



バタバタと俯きながら去っていった




おっ…恐るべし和也…




「はぁ~ったく、何で怜美も大声で助け呼んだりしなかった?」



いきなり和也に話し掛けられて、一瞬肩が震えた



「すぐに逃げればよかったのに」



「だって…あの人達が現れてからの展開の速さについていけなくって…」



多少びくびくしながら答えるあたしに、和也は可笑しそうに笑って



あたしの頭をぐしゃぐしゃと撫でた



「ははっ、悪かったな。あんなとこ見せて。
じゃ、俺行くから!!!!」



「えっ?」



頭を直して顔を上げると



和也はもう歩き出しながら手を振っていた




―――――っ!!!!!




「かっ…和也!!!!!」



「……え?」



あたしが大声で叫んだのにびっくりしたのか


和也は少し驚きながら振り返った




「ありがとっ!!!!」



あたしがそう言うと、和也はニッと笑って、また歩き出した






「……かっこいいな」



思わず漏れた言葉



普通に、あれはかっこいいでしょ…




和也、ありがとう



心の中でもう一度お礼を言って



あたしは図書室に向かった











何も知らないまま…


< 17 / 40 >

この作品をシェア

pagetop