王子様は女嫌い!?
「そりゃ…大変だね」
学食で里奈がスプーンでカレーをつつきながら言う
ちなみに今日は図書室に新しい本が入るから、放課後にそれらを整理するだけの仕事
やっと昼放課に里奈に相談できたってわけ
「唯君、当番だって知らないんじゃないの?」
「いや、それはないと思う…和也達がいっつもそれについて唯君に話してるからさ…」
実際、和也達は唯君に図書室行くように何度も言ってくれている
でも、それを無視してるのは唯君
「……あたし、嫌われてるのかなぁ」
ここまでくると、そう思ってしまう
「佐々木君が嫌いなのは“女”であって“怜美”じゃない…って言ってもまぁそうなのかもね」
里奈の言葉がグサッと突き刺さる
里奈、フォローになってないよ…
そんなあたしを見て里奈が少し慌てたように言った
「今日も行くの?」
「うん、仕事は仕事だから。それに今日は、整理だけだし」
「へぇー頑張ってね」
最後にそれだけ言うと、里奈は別の話題を話し始めた
ねぇ、里奈
さっき“仕事だから”って言ったけど
本当はあたし、期待してるんだ
唯君が、来てくれるんじゃないかって…
そんな、淡い期待をしてるあたしは愚かなんだろうか…