【短編】後ろの席のうさぎくん
嘘だ…。
だってあんなにイタズラばっかり。
あんなに嫌がらせばっかり。
「…なんな…のよ…」
見慣れた春瀬くんの文字に私の涙がポツポツ落ちて、文字が少し滲む。
授業中の小声の会話。
いつも繰り広げられる私へのイタズラ。
今になると全部愛おしくて。
だけど、私、春瀬くんのこと何にも知らなくて。
「…ラブレターの…つもり…?」
教室で一人、私は泣きながらそう声に出す。
本当…最後まで自分勝手なんだから…。