五周年記念
第三話♩*゜拉致
✧*。陽菜人side✧*。
寿美礼から電話が来たのは
学校を出て三十分くらいした時だった。
《どうした?》
俺はチャリを停めて電話に出た。
《陽菜君、今何処にいる!?》
切羽詰まったような焦ってるような声だ。
《本当にどうした?》
落ち着かせようと
普通の声で返事をしたが
寿美礼の言葉で俺の顔が青ざめた。
《皇君が拉致されたの❢❢》
は? 皇多が拉致された? 誰に?
《お父さんには連絡したけど
直ぐには来れないだろうから
私が皇君を助けに行ってくるから❢❢》
ちょっ、待て、確かに寿美礼は
強いけど女の子なんだから
危険な目には遇わせられない。
《寿美礼、お前、女の子なんだぞ》
父親が警察官の寿美礼は
その辺の女よりかは強いが
それでも、女の子なのは変わらない。
《心配ありがとうね
だけど、大丈夫だよ❢❢
かすり傷くらいはできるかもだけど
皇君は絶対に取り返すし、
死んだりしないから》
そういう問題じゃないだろう……
《あのなぁ寿美礼……》
続きは言えなかった。
何故なら、寿美礼が電話を切ったからだ。
きっと、皇多を見つけたのだろう。
俺は急いで家に向かった。
チャリを放り投げて、乱暴に玄関を開けた。
「陽菜人、どうしたの?」
皇多が拉致されたことと寿美礼が
一人で助けに行ったことを説明した。
二時間後、寿美礼からの電話で
俺は拉致されたと言われた時よりも
顔面蒼白になった……
《白濱総合病院だよ》
『母さん、車出して、
皇多が白濱総合病院に運ばれた』
学校を出て三十分くらいした時だった。
《どうした?》
俺はチャリを停めて電話に出た。
《陽菜君、今何処にいる!?》
切羽詰まったような焦ってるような声だ。
《本当にどうした?》
落ち着かせようと
普通の声で返事をしたが
寿美礼の言葉で俺の顔が青ざめた。
《皇君が拉致されたの❢❢》
は? 皇多が拉致された? 誰に?
《お父さんには連絡したけど
直ぐには来れないだろうから
私が皇君を助けに行ってくるから❢❢》
ちょっ、待て、確かに寿美礼は
強いけど女の子なんだから
危険な目には遇わせられない。
《寿美礼、お前、女の子なんだぞ》
父親が警察官の寿美礼は
その辺の女よりかは強いが
それでも、女の子なのは変わらない。
《心配ありがとうね
だけど、大丈夫だよ❢❢
かすり傷くらいはできるかもだけど
皇君は絶対に取り返すし、
死んだりしないから》
そういう問題じゃないだろう……
《あのなぁ寿美礼……》
続きは言えなかった。
何故なら、寿美礼が電話を切ったからだ。
きっと、皇多を見つけたのだろう。
俺は急いで家に向かった。
チャリを放り投げて、乱暴に玄関を開けた。
「陽菜人、どうしたの?」
皇多が拉致されたことと寿美礼が
一人で助けに行ったことを説明した。
二時間後、寿美礼からの電話で
俺は拉致されたと言われた時よりも
顔面蒼白になった……
《白濱総合病院だよ》
『母さん、車出して、
皇多が白濱総合病院に運ばれた』