本当の愛を教わる


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年々開花時期の早まっている桜が、テレビ曰く例年と比べて8日早く開花した。

会社も年度末の非常に忙しい時期を乗り越え、新年度を迎えていた。

新入社員の歓迎会兼お花見は、部署ごとに行うのが慣例で、百合菜の所属するシステム開発部はどこの部よりも早く、新入社員がにゅうしゃしてからたったの3日後に開催された。

金曜日なこともあり、全員参加の飲み会が終わると、そのままその場に残る人、別の場所で二次会をする人など、様々だった。

そんな中、百合菜は帰宅しようと周辺の人達に声をかけ、腰をあげる。

そのまま帰ろうとした、その時だった。

「藤澤、ちょっと言いか?」

同じ部署の柘植に声をかけられ振り返る。

「私もう帰るから、二次会のお誘いだったらお断り。大勢でも、個人的にも」

「へぇ~。個人的でもダメなんだ?
ま、良いや。俺は単純に話がしたいだけだから」

鼻で笑いながら返してきた柘植を軽く睨みながら、歩き始める。

後ろを振り返りもせずに、言い放った。

「話があるなら、歩きながらにして」

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