病弱少女の杞憂
「千歌、隣いい?」


「うん。」


運動場の隅の桜の木の下。


二ヶ月ほど前までは綺麗なピンクの花を枝につけていたのに、いまでは緑の葉をつけている。


季節が変わるのは早いな。


少しばかり寂しく思う。


この前まで、中学生でセーラー服を着ていたのに。


「千歌?」


「…何?」


「千歌ってさ、ぼーっとしてること多いよな。何考えてんのかなーっていっつも思うんだけど。」


「…そうかな?…今はね、夏になったなぁって…。」


桜の幹をなでて言った。

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