小悪魔な彼にこっそり狙われています

「それに、腰にホクロが３つ並んでたのが色っぽかったです」



言いながら、空いていた右手で私の腰の少し左側、ちょうどホクロがある位置をそっと撫でる。

普段人に触れられることのない部分を不意に触れられることで、ゾクッとした感覚が伝った。



「は……離して」



それ以上触れられることを拒むように腕を払おうとするけれど、その左手はこの手をしっかりと掴んだまま。

強引な力強さが、彼の異性を感じさせる。



「俺、『一晩の過ち』なんて形で片付けるつもりありませんから」

「え……？」

「正直、ラッキーだと思ってます。……井上さんのこと、ずっと好きだったんで」



そのひと言に一瞬、頭の中が真っ白になる。



井上さんって……私の、こと？



え？来栖くんが、私のことを、好き？

いやいやいや……え？え？？えええ？？？



ぽかんと間抜けに口を開けた私に、その顔はそっと近づいて触れるだけのキスをした。