小悪魔な彼にこっそり狙われています
あぁもう、ぼんやりしてた!
手元の仕事も全然進んでいないし……なにをしているんだか。
「……」
確認しおえた書類は秘書課あての内容。どうせだし自分で持って行こうと書類を手に席を立つ。
秘書課……来栖くん、いるかな。
先日のデートから3日ほどが経ち、頭の中は日に日に来栖くんのことばかりを考えてしまっている。
あの日、あれから私と来栖くんは無事買い物を終え、普通に食事をして、ドッグカフェに行って犬たちに癒されて夜には帰る……というなんとも健全なデートで1日を終えた。
にも関わらず、いつも無愛想な彼の笑顔を見ただけでドキドキしてしまったり、今になってあの夜のことを思い出しつつあったりして……。
先ほどの、記憶の中のベッドでの彼を思い出し、頬がボッと熱くなる。
って、もう!思い出すな、自分!照れるから!
けど、来栖くんと過ごした1日は楽しかったなぁ。だれにも言わずにいた夢を話せたり、自然と笑えたり、不思議と心地よさを感じられた。
貰った犬のストラップも、ちゃっかりスマートフォンにつけているし……。
彼のことを、いっそう意識してしまっている。