小悪魔な彼にこっそり狙われています
「そうやっていつもひとりで頑張ってることを知ってるから、甘えてほしいとか支えたいとか、思います。困ったときやつらいときには頼ってほしいって、井上さんにだから、思います」
甘えてほしい、支えたい、頼ってほしい。
私に、だから。
「この答えじゃ、ダメですか」
それらの言葉を臆することなく、まっすぐ目を見て言い切った彼に、心臓は強く揺さぶられた。
こんな、かわいげもない、どうしようもない私を見て、彼はこんなにも一心に想いを伝えてくれている。
冗談かも、からかわれているのかも、体の関係目当てなのかも。
そんな警戒心すらも、ほどいてしまうくらいに。
「……まぁ、好きなところなら他にもありますけどね。例えば、たまに抜けてる時もあるところとか」
「へ?」