僕と君と…
一章 過去と出会い
-南 祐翔-



「ファイトー‼︎」

「南ーっ!!頑張れ!!」

同点だ。
ここで取られたら終わる。




頑張ってきたんだ。
負けるわけには…!!


「ちょ!おい!!何やってんだよお前!!」






……俺は何をしたんだ?









相手のチームの4番が苦し紛れに打ったシュートはしっかり決まった。




『ピーーー!!』





試合の終了を知らせる音がなった。
審判の笛も重なるようにこだまする。



結果は相手が62点、俺らが…59点。

負けた。

終わった。





…俺のせいで。
俺のせいだ。






…。
またあの時のことを思い出していた。
もういい加減にしろよ。
終わったんだぞ。祐翔。



いつものような冷静さはなくなる。
息がつまるような苦しさが身を襲う。




いつものように心を落ち着かせようとする自分に逆らうように、胸の苦しさは止まらない。

こんな自分、嫌いだ。



あれから2年が経とうとしている。
屋上から見える桜の木は綺麗な花を咲かせていた。
< 1 / 8 >

この作品をシェア

pagetop