☆甘い恋の秘密はキミ限定☆



「痛いっ! 痛いって依りん!」


「当たり前でしょ。顔押してんだから痛いに決まってる」


依ちゃんと須藤君は出会った時からいつもこんな感じで仲が良い。


家がお向かいさんのふたりは、幼稚園からの腐れ縁らしく人懐っこい須藤君の面倒を依ちゃんが見てあげてるって感じ。


「あ、そうだ。大貴に聞きたいことがあったんだ」


自分の顔を手で擦りながら須藤君が「何?」と聞き返す。


「あんたの友達どこにいる?」


「え? 俺も探してるから依りんに聞きにきたんだけど」


「そうなの? 何よ、肝心な時に使えないわねあんた」


「ひどっ! もうちょっと言い方ってものがあるでしょ。

依りんからしてみれば頼りないかもしれないけど、俺はこれでもアイツの世話係なんだよ」


依ちゃんの後ろにいながらふたりの話を聞いていると、度々出てくる須藤君の友達の話題。


須藤君はいつもひとりでいることが多いから、彼の友達の話を聞くのは初めてかもしれない。


「大貴に世話を焼かれるなんて、友達が哀れだわね」


「依りん今日はなんか一段と毒吐くね」


明後日の方を向き悲し気な表情の須藤君が何だか可哀想になってきた。



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