☆甘い恋の秘密はキミ限定☆




「それにしても、依りんがアイツのこと気にするなんて初めてじゃない?」


「あたしじゃないわよ。この子がね、ちょっと」


依ちゃんは背中の後ろにいた私に目配せしてくる。


「優愛ちゃん? がどうしたの?」


「ちょっとね。ね、なんて名前だったっけ」


依ちゃん私が王子様がいたなんて言ったから気にかけてくれてるのかな。


「アイツの名前は――」


言いかけたところで須藤君が依ちゃんでも私でもない何かを見ていることに気付いた。


須藤君の視線の先を追って見てみると。


「あ、朝陽! お前今までどこにいたの? ずっと探してたんだよ」


須藤君が誰かの名前を呼びながら近づいていき、肩に手を回した。


「そうよ、朝陽……」


依ちゃんも独り言のようにそう呟くと不思議そうに見ていた私を見てきた。


きょとんとしていると、依ちゃんにふふっと笑われる。


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