☆甘い恋の秘密はキミ限定☆
「ねぇ、優愛が言ってた王子様ってあの人のことじゃない?」
「え?」
依ちゃんが見ている視線の先を追って私も見てみる。
するとそこには――。
「あ……」
バッチリと目が合う。
そして、王子様と呼んでいた彼と同時に声が重なった。
依ちゃんに向かって力強くうんうんと頷く。
でもどうしてわかったんだろう?
私は王子様とだけしか言ってないのに。
依ちゃんは何でも知ってるんだなぁと感心。
「お前は本当にマイペースなんだから。
探すこっちの身にもなれっての」
須藤君に腕を回されていた彼は、無言のまま私のことをじーっと見てくる。
な、何だろう……凄く見られてるよね?
おどおどしていたら、私に目を向けたまま王子様がこっちに向かって歩いてきた。
え、な、なんでこっちにくるの?