☆甘い恋の秘密はキミ限定☆
「ひゃぁ……!」
素っ頓狂な声をあげた私はビックリした。
今の今まで依ちゃんの前にいたはずの春野君が私の顔を覗くようにして中腰で下から見上げてきたのだから。
「ごめん。驚かすつもりじゃなかったんだけど。
これ、さっき落としていったから」
私の前に来た春野君は姿勢を正すと少し屈んで私に何かを差し出してきた。
「あ、私のハンカチ!」
見覚えのあるピンク色のハンカチ。
「やっぱりそうだった。急に逃げていったから探すの大変だった」
「はい」と言いながら私の手を取ってハンカチを乗せてくれた。
その動作があまりにも自然すぎて、お礼を言いそびれてしまう。
「え、朝陽と優愛ちゃん知り合いだったの?」
私たちのことを見ていた須藤君は首を傾げていた。
「知り合いというか……今知り合った」
「え……何それ。知り合いって普通知ってる人だから知り合いって言うんじゃないの」