☆甘い恋の秘密はキミ限定☆



まだ春野君のことは名前以外は何ひとつ知らない。


だから私が感じた雰囲気だけで言ってみた。


「その子はもちろん、女の子なんだよね?」


聞いていたお兄ちゃんがにこにこしながら尋ねてきた。


春野君は男の子……って言っても大丈夫かな。


どう答えようか迷っていると、お姉ちゃんが助け船を出してくれた。


「そんなのもちろん決まってるじゃない」


目配せしてウインクしてくれたお姉ちゃん。


「そっかそっか。女の子の友達が増えるのはいいことだ。

大事にしなきゃな、優愛」


「う、うん。そうだね」


お兄ちゃん、ごめんなさい……。


春野君が男の子っていうことは黙っておいた方がいいみたいで、お兄ちゃんに嘘つきたくないけど嘘ついちゃった。


前にお姉ちゃんに言われたことがある。


「優愛いい? 翔の前で男の子の名前や話題を出すのはお姉ちゃんに相談してからにしなさい」


そう言われて私はどうしてだか意味がわからなかった。


だからお姉ちゃんに聞いたら


「面倒なことになるから、優愛が本当に心から好きになった人ができたらその時はちゃんと紹介すればいいよ」


そう言っていた。


お兄ちゃんが私のことを凄く心配してくれるのは小さい時からだから、それをよく知ってるお姉ちゃんの言うことは間違いないと思った。


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