【書き下ろし】太陽の声にのせて
「友梨~宿題忘れちゃった~貸して!」
「うん、いいよ~」
私、三沢友梨。
高校1年生。
この学校に入学してから半年経ち、
みんなのことがだいぶよく分かって来た。
そんな私はみんなに必死に合わせて過ごしている。
自分の思ったことは声に出来ない。
当たり障りない返事をしてやり過ごす日々は、ものすごく苦痛だった。
「やっべ、マスカラ無くなった~貸してくんない?」
「てか友梨もつけま付ければ?」
周りの友達に合わせて髪を巻いたり、化粧を濃くしたり
正直、今の自分は自分でも馴染めてない。
「おっは〜!友梨、彼氏とどう?」
「ね、友梨全然その話してくんないんだも〜ん」