【書き下ろし】太陽の声にのせて
「お前、自分の思ってることも言わねーしな」
だけど、耐えきれなくって。
私は彼の服の袖をぎゅっと握ると、涙を我慢した顔で見つめた。
“うるさい、別にいいでしょ”
“岡崎くんには関係ない”
その言葉を込めて見つめる。
「…………っ」
だけど声にはならなかった。
「そーいう顔、いっつもしてんの、お前」
私は思わずぱっと手を離した。
「何か言いたいことありそうな顔してるのに
笑ってううん、なんでもないよって言ってんの。
気になったんだよ。
雑用なんて誰もやりたくねーのにさ、やりますって笑顔で答えてて
でも泣きそうな顔してさ」