【書き下ろし】太陽の声にのせて


「お前、自分の思ってることも言わねーしな」


だけど、耐えきれなくって。

私は彼の服の袖をぎゅっと握ると、涙を我慢した顔で見つめた。


“うるさい、別にいいでしょ”


“岡崎くんには関係ない”


その言葉を込めて見つめる。


「…………っ」


だけど声にはならなかった。


「そーいう顔、いっつもしてんの、お前」


私は思わずぱっと手を離した。


「何か言いたいことありそうな顔してるのに

笑ってううん、なんでもないよって言ってんの。

気になったんだよ。

雑用なんて誰もやりたくねーのにさ、やりますって笑顔で答えてて

でも泣きそうな顔してさ」
< 21 / 81 >

この作品をシェア

pagetop