【書き下ろし】太陽の声にのせて


「よかった~、ちょうどダブルデートしたいなあって思ってたんだよね~。

メールで言うのめんどいから待ってたの。

じゃあ、東李くんに言っとくね」

「え……ちょ、」


待っててくれたわけでは無かった。


「東李くん待ってるから先帰るね~」


そっか、麻友が私を待ってるわけないよね……。


肩をおとしながら下駄箱に向かう。


ダブルデート……か。

正直あんまりしたくなかったんだけどな。


ルンルンと楽しそうに聞いてくる麻友を見ていると


何も言うことが出来なくなってしまった。
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