【書き下ろし】太陽の声にのせて
誰も聞いてくれなくて、
小鞠ちゃんのいじめはどんどんエスカレートして行った。
クツを隠したり、トイレで水をかけたり
私が止めても全然聞いてくれなかった。
それが一週間続くと
小鞠ちゃんはボロボロになりトイレで泣きじゃくっていた。
『小鞠ちゃん!』
もう見ていられない。
私が慌ててタオルを差し出す。
すると、後からやってきた愛華ちゃんは言う。
『何してんの、友梨?』
小学校の頃のことがあったから、
少し自分のことを言うのが怖かった。
でも間違っていることは
そのままにしちゃいけないんだって分かっていたから