【書き下ろし】太陽の声にのせて


『実はね、学校が辛くてね……行きたくないの……』


自分の気持ちを零れるように声にした時


バンー!!

お母さんは机をたたいた。


『何言ってるの?友梨!行きたくないなんて甘えたこと言って!

いい加減にして!辛いのが自分だけだと思わないで!』


ビクっと体を揺らすとお母さんはさらに言う。


『だいたいあんたは、自分の好きなように好きな話をベラべラ話してくるけど、

そんな状況じゃないってみて分からないの?お母さん、イライラする友梨の話聞いてると』


ぎゅっと手を握る。


目に浮かぶ涙を必死にこらえてお母さんを見つめる。


助けてって言葉は、声にする前に潰された。


『ごめん……なさい……っ』

< 44 / 81 >

この作品をシェア

pagetop