【書き下ろし】太陽の声にのせて
『実はね、学校が辛くてね……行きたくないの……』
自分の気持ちを零れるように声にした時
バンー!!
お母さんは机をたたいた。
『何言ってるの?友梨!行きたくないなんて甘えたこと言って!
いい加減にして!辛いのが自分だけだと思わないで!』
ビクっと体を揺らすとお母さんはさらに言う。
『だいたいあんたは、自分の好きなように好きな話をベラべラ話してくるけど、
そんな状況じゃないってみて分からないの?お母さん、イライラする友梨の話聞いてると』
ぎゅっと手を握る。
目に浮かぶ涙を必死にこらえてお母さんを見つめる。
助けてって言葉は、声にする前に潰された。
『ごめん……なさい……っ』