【書き下ろし】太陽の声にのせて


声に出した気持ち。

それはいつだって人を怒らせる。


『う……っつ』


自分の意思も、選択も、

助けも、全部声にするから嫌われる。


ただ、みんなで仲良くしたかった。


間違っていることを友達にしてほしくなかった。


ただ、お母さんのアドバイスが欲しかった。


助けてあげるって言って欲しかった……。


ただそれだけなのに、

どうして声にするとこんなにも人に嫌われてしまうんだろう。


それから私は、自分の部屋に戻って声を押し殺して泣いた。

泣いて、泣いて、たくさん泣いたけど決して声は出さなかった。


“学校に行きたくないよ”
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