【書き下ろし】太陽の声にのせて


“もう一度みんなと仲良くしたい”


“お母さんに話、聞いてもらいたかった”


心の中で現れた言葉は、声になることなく、かき消した。


声に出すからいけないんだ。

言わなきゃずっと平和でいられる。


自分の言葉は他人を怒らせることしかしない。


気持ちは声に出さない。


そう誓って残りの学校生活を過ごした。

イジメられても、何も言わずにひたすら耐える。


辛くっても言葉にしない。

ずっと、そうしているとだんだん愛華たちは飽きて私に構わなくなった。


それから卒業までひたすら我慢して耐えた。


そして高校生。
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