【書き下ろし】太陽の声にのせて
「別に?そう思ったから言っただけだよ」
みんなには言わないくせに。
誰でもいいわけないじゃない。
本当は自分が好きになった人と付き合いたいんだもん。
「…………っ」
だけど、私の言葉はまた
声になることなく消えた。
言えないことに、手をぎゅっと握っていると。
「やべぇ!」
遠くからそんな声がして
ドカ―!!
「痛てぇ」
鈍い音が響いた。
勢いよく飛んできたサッカーボールが
岡崎くんの背中に思いっきり当たっていて、彼は眉間にシワを寄っていた。
それがなんだか面白くて
くすくす笑っていると不満そうな顔をして私をみる。