【書き下ろし】太陽の声にのせて
言え……た。
「お前……いい球投げるな」
でも、怖くって恐る恐る周りを見る。
すると彼は笑顔でいてくれた。
「言えんじゃん、お前。思ってること」
久しぶりに思っていることを口にして
私の心は少し軽くなった。
そっか……私
本当の友達が欲しいって思ってたんだ。
声にしなきゃ、自分さえも気付けない。
そのことを、彼は今気付かせてくれた。
それから一通り、キャッチボールをして遊ぶと
「じゃあな、また遊ぼうな~」
「おう」
子供たちは5時の鐘と共に帰って行った。