【書き下ろし】太陽の声にのせて
「俺は友梨に愛されてる証拠がほしい。
もう不安に思うのは嫌なんだ」
ぎゅっと手を握りながらいう悠馬くんに
本当のことなんて言えるはずもなかった。
嫌なのに、“うん”と言う。
思ったことを、声に出せない。
だからこんなことになったのに、私は全然学ばない。
「うん……」
いっつも人に流される。
友達がいなくなるのが怖いから。
誰かに嫌われるのが怖いから。
こうやってウソついて、偽りの自分を作って行く。
「すいません、俺たち2人参加します」
「あら、可愛い彼女さんですね。恥ずかしがってるのかな」