【書き下ろし】太陽の声にのせて
うつむいている私を
係の人は恥ずかしがっていると勘違いしている。
うつむいた顔の中は、嫌で嫌で泣きそうな顔をしてるのに。
気付かない。
だって声にしていないから。
順番が来るまで座ってみていると
悠馬くんが言っていた通り料理を2人で作ったり、手を握ったり
最後にハグをしたりそういうのだけだった。
それでも私はこんな事したくなかった。
ぎゅっと手を握る悠馬くんに、嫌悪感を感じる。
なんのためにこんなこと、しなくちゃいけないんだろう。
「はい、では次のカップルに来てもらいましょうどうぞ~」
ついに私達の順番が来てしまった。