【書き下ろし】太陽の声にのせて


必死にみんなに合わせてる自分が空しくなって、

悲しくて、わけも分からず岡崎くんにあたると、彼は鋭く言った。


「それ、泣いて言うことじゃねーから」

ポロポロと涙が出る。


みんなに流されて生きている自分が空しい。


それでも私は、気持ちを言葉に出来ない。


いやな時、いやだって伝えることが出来ない。


「私さ、言葉にしない方がうまくいくの……

そっちの方が幸せになれるの……」

ポツリと零した言葉に彼は言った。


「今、幸せそうな顔してないクセに何言ってんの。

言葉にしたらもっと楽しくなるぜ?みんなお前のこと分かってくれる」


「……分かってくれないよ」


彼は知らないだけだ。
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