憂鬱な午後にはラブロマンスを

始業時間前には自分のデスクへと座りパソコンの電源を入れ早速戦闘モードに入っていた珠子。

その勢いに周りは呆気にとられたような顔をして珠子の仕事振りを眺めていた。


「彼女、どうしたの?」

「それにしても厚化粧ね・・・どういうこと?」

「部長に気に入られようと必死なのかもよ?」

「あの顔じゃ無理じゃない?」

「ほら、部長のあの態度。遠藤さんを見る冷たい目。同情しちゃうわ。」


周りから何を言われても平気。珠子は洋介の前でも変わらぬ態度で振る舞っていた。


「何かあったのか?」


変わらぬ態度で接したつもりでいたし、仕事に集中することで何も考えずに居られると思った。

珠子のそんな気持ちなど洋介は関係なかった。


「あの時と同じだな。お前は泣いた翌日は腫れた目を隠すために厚化粧する。夕べは何があった?」


珠子は周りの目を気にしたのか黙りこんだ。


「会議室の状況はどうだ?今から使えるか?打ち合わせがある。」

「え?会議室ですか?」


珠子は慌ててホワイトボードを確認しに行く。会議室の空き具合を確認すると珠子を会議室へと連れていった。

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