鋭い彼等のことだから
私の名前は中川るり!大学三年生のちょっとヤンデレ女の子!ただいま彼氏と同棲中!でもなんだか今とっても大ピーンチ。
朝起きたら目の前には超怒ってる彼氏の顔!私何がなんだかわかんなーい。
もしかしておやつのプリン勝手に食べたこと?大学ちょいちょいさぼってること?卵をレンジでチンして爆発させたこと?いやあれは証拠を残さぬほどちゃんと掃除したけどなぁ。まさか皐月のへそくり勝手に使ったこと?
心当たりがありすぎぃ!
「ゆうきって誰?」
皐月が放った一言は、混乱しかけたるりの頭を冷静にさせた。少しばかり拍子抜けしながらも微笑したるりは、皐月の頬に手を添える。
「かわいらしいエンジェルと戯れている夢から覚めたら、目の前には神々しくも凛々しい王子がいたからびっくりした……」
「……騙されないからね」
皐月は顔を真っ赤にして膨らませてる。それが怒りからくるものなのか照れからくるものなのかは定かではない。
「でもそんな変なこというるりも好きだよ」
呆れたように笑いながら、頬に添えられた手を軽くはらった。
「ゆうき……ゆうきねぇ。そういえばいたんだよ。保育園実習のとき、三歳児さんの中に。」
皐月の顔は再び赤くなる。
「いやちょうど保育園の夢見ててさー。ゆうきくんが勇者役で私がお姫様役のごっこ遊びしてた夢だったからさー…」
「じゃあなに?俺三歳児に嫉妬してたわけ?」
「そゆこと」
「うわ超勘違いじゃん。はずー…。」