キミと初恋、はじめます。
……赤点?
さすがにそれは避けたいのだけど。
実際、星凜学園のテストは転入試験しか受けていないからわからない。
「あ、俺イイコト思いついたー」
トンッとあたしの頭に顎を乗せた翔空が、のんびりと笑う。
「センセー。シキの勉強、俺が見てあげる。そしたら安心でしょー?」
「えっ!?」
「まぁ!いいの?星宮くんはいつも成績トップだものね。それなら先生も安心だわ」
あ、あたしの勉強を翔空が見る?
しかもこの翔空が成績トップ!?
頭、良かったんだ……翔空って。
「ね?シキ」
「で、でも……いいの?」
「シキのためならなんでもするー」
なんでもって……。
でも翔空のことだから、きっとあたしが何かを頼めばそれこそ〝何でも〟してくれるんだろうな。
そんな甘え、出来ないけど。
今回は……甘えてもいい、よね?
「じゃあ、お願いします……────」